東京都 品川区 富士見湯






2009/05/02訪問

車で品川区の富士見湯へ。
銭湯右脇に客用駐車スペースが3台分あります。その後ろには
(有)富士見湯
と表札のかかった建物が。
ビル銭湯で、上階部分は集合住宅になっている様子。

正面に回ると、木の扉に紺色に「ゆ」と染め抜いたオリジナルのれんがかかっています。
自動ドアが開いて、玄関へ。正面はフロント。木の質感を生かした、明るさと温かみのある雰囲気。
女将にお遍路と富士山のスタンプ帳を押してもらう。

脱衣場もシンプルながら木のぬくもりを感じさせる。掃除が行き届いていて、清清しい。
天井にはプロペラ式の扇風機がまわり、正面の壁には
改装前のものらしい振り子時計(動いてはいない)が飾られていた。
ロッカーは木目調で、シリンダー錠を使っているもの。

富士見湯の売りは、古代檜の浴槽。
脱衣場の壁にも、古代檜の説明が掲示されている。
女将さんによると、何年かごとに表面を削らなくてはいけないとか。

洗い場入り口の扉は、上の部分の窓が半円形になっている。
洗い場は白っぽいタイルの床と、ピンク系のごく薄い小豆色の壁。突き当たり正面の壁は濃い茶色のレンガ調のタイル。
梁が弓形にカーブしていて、さりげないがどこと無く異国情緒っぽい印象だ。
旅行ガイドで見た、モロッコにあるポルトガル時代に造られた地下貯水槽を思い出した。

右手に、半透明アクリルの仕切り付き立ちシャワーが一基。
左の壁側にもあるが、仕切りが無く、湯桶や椅子が並んでいて使われていない。
男女境のカランの上部分には白っぽいタイル。
柱や男女境壁の上に、シンプルで美しい球形の照明が使われている。
反対側の壁、カランの上には白い枠の「田」の字の窓があり、この白い窓もいい雰囲気。

カラン前の鏡に、黒いドーナツ状のしみ?があるのはなぜだろう。鏡の裏がハゲたのだろうか。

浴室中央手前に古代檜の長方形の浴槽。その奥に、ベージュっぽいタイル貼りの長方形の浴槽。
浴槽が縦に二つ並んでいる配置。
湯船の配し方や梁・柱などの造りが、センスの良さを感じさせます。

それに、ここは脱衣場・洗い場ともに照明の使い方が、絶妙。
光を当てる角度によって、影の出方が違うのだろう。白熱灯の温かみのある光が浴室内を引き立てている。
浴槽に入ると、天井隅からの照明で浴槽の中が照らされ、湯口から注がれる湯がきらきらと光っている。

タイル貼りの浴槽はジェット風呂。縦に長いので、ジェットの届かない部分は
通常の浴槽のように湯に浸かれる。
檜の浴槽から、ほんのりといい香りが漂って、いつまでもゆっくり入っていたい気分だった。

最近新しく改装される銭湯は、シンプルですっきりした内装のところが多いのだけれど
いまひとつ味気なさを感じて、なんとなく物足りない・・という印象だった(あくまで個人的好みで)。

いままでレトロ一辺倒だったけれど、新し目の銭湯でこんなにツボに嵌ったところは、初めてかもしれない。
美しく、かつ居心地の良いぬくもりを感じる銭湯でした。






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