東京都 文京区 月の湯





2009/03/10訪問


高田馬場で用事を済ませ、建設中の世界湯を見に行った。思っていたより高層の建物の様子。
足場と、バルコニーのような部分が見えた。銭湯の上は賃貸マンションになりそうな感じ。

新目白通りを東へ歩き、高戸橋の交差点を渡って神田川沿いの遊歩道を歩いてゆく。
途中、オリジン電気の入り口にある「山吹之里」の碑や、東京染ものがたり博物館などを通り過ぎて、
新江戸川公園の塀に差し掛かる。すぐ先の「胸突き坂」を登って、バス通りを渡り
中華料理店の先を曲がってCOOPの隣です。
この日は14夜。月のきれいな夜だけに、名前がぴったりな月の湯。神田川の遊歩道は桜の時期に訪れれば
花見しながら月の湯まで来れそうだ。

この日は風が強く、銭湯の玄関に入ったときに入り口の「歌声銭湯」のポスターが飛んでしまった。
下足入れに靴をしまい、前後に押し引きするタイプの木製ドアを開けて中へ。
番台さん(「あっちゃん」と呼ばれている方)にポスターを手渡すと、「もうすぐ女将さんが来たら渡しておきますね。」
スタンプを押してもらった後、ファスナー付きのナイロン製エコバッグをいただいた。
弁当を入れるのに役立つので、うれしい。

ロッカーは使われていない感じだ。番台さんから丸籠を勧められて、そこに着替えなどを入れることに。
洗い場に3人、脱衣場には2人のお客がいる。ちょうど(お客が帰って)空いたところだ、とのこと。

どこから来たの?と尋ねられ、馬場から40分歩いてきましたと答えるとびっくりした様子。
脱衣場で着替えていた、江戸っ子風ちゃきちゃきな感じのお客に番台さんが「馬場からきたんだって!」と話しかけ、
よく歩けるわねぇ、どこを通ってきたの?などと少し話し込む。

あらためて脱衣場を見る。天井は折上げ格天井。格子がやや大き目に見える。角のカーブの部分がゆるやかで、
どこどなく穏やかな印象。男女境は鏡。その上に赤い座布団に座る福助が置かれている。
鏡の左のほうにはコイン式ドライヤー。ハンドクリーム「桃の花」や冊子「乙女湯のたしなみ」が置かれた台、
化粧品やタオル(月の湯オリジナルタオルもあった)の入ったガラスケース
その隣に飲料の冷蔵ケースが並ぶ。

番台は雲形の飾りの付いたもの。
床に木目調のホットカーペットが敷かれていて、足が冷えずに済む気遣いがされている。

壁に沿ってロッカーが並んでいる。横長の京都でよく見かけた形。その右手に、両側が細い鏡になった
収納家具があって、使っていない籐製のイスがしまってあった。
さらに右手に、昭和のにおいのする年代物の家庭用流し台。木目調のプリント合板のもの。
流し台を洗面台代わりに使うのは、珍しい。

洗い場へ。突き当たりのペンキ絵は、「大歩危」作者名は無いけれど早川師っぽい雰囲気。
クリーニング店、美容室などの広告が貼ってある。
ペンキ絵の下には鯉とオシドリ、赤い太鼓橋のタイル絵。左端に「章」の雅号入り。
左側のほうにガムテープで補修された跡がある。
広告の下、左寄りに壁の一部に窪みがあって、内側に小丸タイルが貼られている部分がある。
前回訪問時は、ゆるく湯が噴出していたが、今回は出ていなかった。

シャワー付きカランは壁側と男女境。シャワー無し鏡付き島カランが、洗い場中央に一つ。
床のタイルは白い五角形のもの。これもなかなか見ることはできない珍しいタイルだ。

上がって瓶牛乳をいただく。
男湯に学生が6人やってきた。脱衣場が一気ににぎやかになる。
6人一度に入ったら、浴槽の湯がなくなるので半分ずつ入るように言うと
浅・深三人ずつ分かれて入ったので湯があふれ、女将さんや男湯のお客が大笑いしていた。
「学生さんはプール気分で来るのよ」と苦笑する女将さんだが、ほほえましそうな感じだ。

帰りは先ほどの江戸っ子なお客と女将さんに、馬場へ行く別の道を教えてもらう。
前のバス通りを日本女子大の方向へ歩き、千歳橋の立体交差点を降りて明治通りへ行く道だ。
「じゃあ、気をつけて」と江戸っ子のお客から声を掛けられた。

「歩くんでしょ?」と出る間際、女将さんからアメを三ついただいた。
ちょっとしたことで気持ちが随分となごむものだなぁ・・。
一時間半くらい滞在の間、お客は引きもきらず、洗い場には5人、脱衣場には4人くらい。

ホスピタリティを実感した、老舗銭湯。週四日の営業だが、これからも訪問したいと思った。










2007/02/04訪問

 最寄り駅は地下鉄 有楽町線 護国寺駅。
今回は新宿駅西口から都バス白60系統に乗車、目白台三丁目下車、徒歩2分ほどです。
リンク→地図

ここは番台です。
脱衣場にあがったお客が一人、浴室に一人入浴中。
反対側の男湯から、手ぶらセットを買い求めるお客さんの声が聞こえました。

脱衣場中央には、木目調のホットカーペットが敷かれて、寒さの中訪れるお客への心遣いを感じます。
男女境は鏡。お客さんのメッセージを残したノートが数冊あります。
石けんやシャンプーが収められたガラスケースに、飲料の冷蔵ケース。
ここで売っている「アロエ」のボディシャンプーは香りがよく、大きさも持ち運びに便利でした。

浴室の背景画は上州 老神 追貝(おっとがい)渓谷。鯉と金魚のタイル絵が飾られています。
浴槽は浅め/深めの2槽。
その下の壁に窪みがあり、内側が細かい丸タイルになっていて、湯が弱めの噴水のように出ています。
右側の深めの浴槽部分には、陶器製の鵜に似た鳥が二羽あり、左の鳥の首が破損していますが、穴が開いていて湯口だったのかも・・と推測。

浴槽のフチは、濃い大理石風グリーンのタイル。
パーマ屋、洋品店などの時代の空気を感じる広告が掲示してあって、心は一気に昭和へ・・・・。

湯上りに瓶ドリンク(Hi-Cだったか・・・失念)を一本いただく。
終バスの時間は過ぎてしまったけれど、せっかく来たのだからとのんびりしました。

帰りはブラブラ歩きながら、江戸川橋駅へ。
目白通りの街灯のほの暗さ・静けさから、冬のヨーロッパの街並みを思い出しました。



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